はじめは「子供のアニメ」と、少々馬鹿にしていた感があったけれど、見ていくうちにすっかりムーミンの魅力にハマってしまい、毎晩のように見ていた。基本的には平和で安心して見られるものだけれど、単なる甘い感じのお話ではなく、出てくるキャラクターも独特だし、毒もあるし、ちょっとシュールだったり、辛口だったり・・・そんなところが大人も惹きつける要因のひとつかも知れないと思う。
去年の帰省の際に、折角だから活字でムーミンを読んでみようと書店に行った時、目に留まったのがムーミンの解説書のような「ムーミン谷のひみつ」という本。冨永眞弓さんという方が書いたものだ。
代表的な登場人物とエピソードが書いてあるのでムーミンを知るにはとてもいい本だと思う。文章もとても読みやすいし。これを読んで肝心のムーミンシリーズはまだ読んでいないんだけど、今年の帰省の時には是非買って読みたいなぁと思っている。
最後にこの本を買うきっかけになった一文を紹介。
もうずいぶん昔の話になるが、ムーミントロールのパパが、なにも言わずに、家を出てしまったことがある。なぜ出て行かなければならないのか、パパ自身にもわからないままに。
「帰りたくなったら帰ってくるわ」とムーミントロールのママは言う。「パパは最初からそう言ってたし、じっさい、いつだって帰ってきたもの。だから今度も帰ってくるわよ。」
だれもちっとも心配しない。それはよいことだ。互いのことでは心配しないと決めている。そうすれば、互いに良心がとがめることもないし、できるだけ大きな自由も得られるというものだ。「ムーミン谷の仲間たち」より。
作家のヤンソンがあるインタビューかなにかで語ったこと。「ムーミンの家族はいたって自然なかたちでしあわせなので、自分たちがしあわせだということすら知らない。かれらは一緒にいてしあわせで、互いに字自由を与え合う。つまり、ひとりでいる自由であり、自分なりの考えをもつ自由であり、分ちあってもよいと思うまではその考えを秘密にしておく自由である」と。
それに対して冨永さんは「かれらがとてもしあわせな家族なのは、ひとりひとりの自由が保証されているからだ。孤独でいる自由、思想と表現の自由、プライバシーの自由である。互いに干渉せずにいるのはときとして強い意志の力が必要だ。相手がたいせつな存在であれば、なおさらである。けれどもムーミンたちは、互いの自立がしあわせの基盤だと知っている。だからムーミンパパはふらりと家を出て行けるし、ふらりと戻ってくることもできる。」
ムーミンたちの考え方やそれにともなう行動を、今の私たちの暮らしにそのまま当てはめることはできないけれど、ここを読むだけでも色々考えさせられた。
家族だから、子供だから、夫婦だから、恋人だから・・・アナタのことが心配だから・・・色んな理由を付けて人は人を束縛しようとする。いかにもそれが愛情だという感じで。その気持ちも分からなくもないけれど、度が過ぎるとそれはその人のエゴでしかないような気がする。
学生時代によく聞いた言葉=「本当の自由というものは好き勝手をしていいということではない、自由には責任がともなうのだ」と。この年になってやっと実感を持って分かってきた言葉だ。
束縛するのもされるのも好きじゃぁないけれど、家族や友人に知らず知らずのうちにそうしてしまっていることもあると思う。でも「好きだから心配して束縛する」のではなく、「好きだからお互いの自由を尊重する」そんな心がけで生きて生きたいなぁと思ったのでした。
そんなことを考えていたら思い出したのが、この島で友達になって今はスイスにいるトーマスとドラのカップル。2人ともとても知的で、それぞれの世界を持っていて、いい感じに自由で、素敵に年を重ねている。もう長年「夫婦」をやっているのにとても新鮮なふたりに見えるのは、きっとお互いがお互いの生き方を尊重しているからなのだと思う。そんなふうになれたらいいなぁと思う今日この頃。・・・と、いつになく真面目なことを書いてみたのでした。
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